トレード前の2分間スキャン
繰り返し使える5ステップのトレード前スキャンを2分以内で実行する。このトラックのすべてのレッスンを組み合わせたワークフローです。
ここまで10レッスンをやり遂げました。マーカー、相場環境、ヒートマップの読み方、GEXと今使っているテクニカル分析の組み合わせ方、金曜が重要な理由、そしてチャートを完全に無視すべきときを学んできました。
このレッスンは総仕上げです。これまで学んだすべてを、どのトレードの前にも2分以内で実行できる5ステップのトレード前スキャンにまとめます。
スキャンは「何をトレードするか」は教えてくれません。教えてくれるのは、トレードするべきかどうか、そしてするならどのサイズと確信度で、です。
スキャンの手順
この5つのステップを順番に実行します。それぞれ15〜30秒です。
ステップ1:相場環境の確認
GammaFlipを開いて、ガンマフリップを探します。
- 価格がフリップより上 → 値動きが抑えられやすい相場 → 壁が効く、平均回帰が基本
- 価格がフリップより下 → 値動きが大きくなりやすい相場 → 順張りが基本、Nの壁に注意
- 価格がフリップにちょうど重なっている → 移行期 → 確信度を下げ、はっきり抜けるのを待つ
ここは絶対に飛ばせません。この後のすべての解釈が、これで決まります。(レッスン2)
ステップ2:レベルの洗い出し
チャートから4つの数字を書き出します:
- ガンマフリップ(相場環境の境界)
- P1 / P1★(最も強い安定化の壁)
- P2(より近い2番目の壁。P1が遠い場合、P1より重要になることが多い)
- N1(最も近いマイナスの壁。損切りの目安)
A1/A2は、木曜〜金曜でなければ飛ばしてOKです(レッスン5)。普段の日はP/Nのマーカーで十分です。(レッスン3、4、6)
ステップ3:コンフルエンスの確認
チャート上の金色の★マーカーを探します。近くにありますか?
- 価格の届く範囲にコンフルエンスのあるレベル → 確信度の高いゾーン。エントリー・エグジットで優先する
- 近くに★がない → 単独のマーカーだけ。確信度は通常
- 遠くに★が複数ある → ターゲットとしては役立つが、エントリーには向かない
トレードプランに★のレベルが含まれているなら、2つの独立したシグナルが一致しているということです。それが構造的な優位性です。(レッスン6)
ステップ4:テクニカル分析との重ね合わせ
いつものチャート(TradingViewなど)に切り替えます。GEXの4つのレベルを水平線として引きます。
確認すること:自分のトレードアイデアは、GEXのレベルに対してどこにあるか?
- テクニカル分析とGEXが一致 → 確信度・高
- テクニカル分析だけで、近くにGEXなし → 短期的な戦術トレードのみ、サイズは小さめ
- GEXだけのレベル → トレードは可能。ただし「ステルス」と認識しておく — ほかのトレーダーには見えていないレベルです
(レッスン8)
ステップ5:信頼性の確認
クリックする前に、5つの簡単な質問:
- 60分以内にマクロイベントはある? → あるなら様子見
- 直近30分でBTCが2%以上動いている? → 動いているなら落ち着くまで待つ
- OIは通常どおり?(OIの指標を確認)→ そうでなければサイズを半分に
- 金曜08:00 UTC(日本時間17:00)の前後60分以内? → そうなら待つ
- 複数の取引所が一致している?(Deribit、Bybit、OKX、Derive。HYPEではDeriveの比重が最も大きい)→ していなければ確信度を下げる
このリストで「NG」がひとつでもあれば確信度を下げる。2つ以上なら様子見を検討しましょう。(レッスン10)
すべてをまとめる:実例
ある水曜の午後を想定して、スキャンを最後まで実行してみましょう:
状況: BTCは$94,000。テクニカル分析からロングエントリーを検討中。
ステップ1 — 相場環境: フリップは$93,200。価格はフリップより上 → 値動きが抑えられやすい相場。平均回帰の考え方が当てはまります。
ステップ2 — レベル: P1★=$96,500、P2=$95,200、N1=$92,800。
ステップ3 — コンフルエンス: P1には$96,500に★があります。上方向の強いターゲットです。
ステップ4 — テクニカル分析との重ね合わせ: テクニカル分析ではレジスタンスを$96,400と見ていました。P1★と$100以内で一致しています。強いコンフルエンス — テクニカル分析+GEX+★がすべて一致。
ステップ5 — 信頼性の確認: 週の半ば、マクロイベントなし、OIは通常、すべての取引所が一致。すべてクリア。
トレード判断:
- $94,000でロング
- 損切りはN1の$92,800のすぐ下(-1.3%)
- 利確1:P2の$95,200(+1.3%)
- 利確2:P1★の$96,500(+2.7%)
- フルサイズ — すべてのシグナルが一致
トレードのアイデアを出したのはスキャンではありません。テクニカル分析です。スキャンはそのアイデアを採点します。
スキャンが「見送り」と言うとき
トレーダーの仕事のほとんどは、悪いセットアップに「ノー」と言うことです。スキャンは、それをすばやく浮かび上がらせるために作られています。
次のような場合、トレードはスキャンで不合格になります:
- 大きくなりやすい相場なのに、上昇に逆張りしたい(大きくなりやすい相場での平均回帰=構造的に間違ったトレードの種類)
- エントリーが関係のないGEXレベルの間にあり、近くに★のコンフルエンスがない
- マクロイベントが目前
- 金曜の朝なのに、シナリオがA1を無視している
- 信頼性チェックの複数が「黄色信号」
スキャンが2つ以上の懸念を示したら、正解はほぼ必ず見送りです。セットアップは明日また来ます。構造の読みは、考え方が当てはまらない状況で無理にトレードすることからあなたを守ってくれます。
習慣にする
最初の50回は、スキャンが遅く感じるはずです。1回4〜5分かかるかもしれません。それで大丈夫です。
200〜300トレードを重ねると、60〜90秒まで縮まります。読むのではなく、ひと目見てパターンを認識するようになります。5つのステップ — 相場環境、レベル、コンフルエンス、テクニカル分析、信頼性 — が自然に回るようになります。
習慣にするための2つの提案:
- 5ステップのリストを印刷する。 モニターに貼りましょう。身につくまで、最初の2〜3週間は見ながら使います。
- 毎回のトレードでスキャン結果を記録する。 相場環境、4つのレベル、コンフルエンスの有無、テクニカル分析との一致、信頼性スコアを書き出します。30〜50トレード後には、どのスキャン結果がどんな結果につながるかが見えてきます。そこから確信度の調整が始まります。
トラック1の終わりに
最初は色付きのバーが並んだチャートから始まりました。今のあなたには、どんなGEXチャートも読み解き、テクニカル分析に重ね、繰り返し使えるスキャンですべてのトレードを採点する、体系的な考え方があります。
ここで終えても、ほとんどの無期限先物トレーダーが持っていないもの、つまり構造の読みが手に入っています。ほかのトレーダーには見えないレベルを見つけられ、この考え方が当てはまるタイミングがわかり、ノイズを切り捨てるルーティンがあります。
さらに深く学びたいなら、Track 2 — Options Curiousで理由を扱います。ディーラーのヘッジ、ガンマの仕組み、そしてこれまで使ってきた構造的な力が、オプションのポジションから実際にどう生まれるのか。これは任意です。トラック1だけをずっと使い続け、それ以上を必要としない無期限先物トレーダーもたくさんいます。
どちらにしても、入門の仕組みはこれで終わりです。ここから先は、繰り返しがすべてです。
覚え方
相場環境 → レベル → コンフルエンス → テクニカル分析 → 信頼性。5ステップ、2分、毎回のトレードで。
エントリーの前に毎回実行しましょう。スキャンを通過したセットアップこそ、サイズを張る価値があります。通過しなかったものは、明日「見送ってよかった」と思えるトレードです。
理解度チェック
水曜14:00 UTC(日本時間23:00)。BTCは$94,000。フリップ=$93,200、P1★=$96,500、P2=$95,200、N1=$92,800。ファンディングは中立。24時間以内にマクロイベントはありません。テクニカル分析からはロング目線です。どのサイズでトレードしますか?
理想的にはフルサイズです。値動きが抑えられやすい相場($94Kはフリップより上)。ターゲットは段階的に並んでいます。まずP2の$95,200、次にP1★の$96,500。損切りはN1の$92,800の下。イベントリスクはなく、サイクルの中盤(金曜ではない)。P1★のコンフルエンスが確信度を高めます。5ステップのスキャンがすべてクリア → 確信度・高のトレードです。
同じシナリオですが、木曜16:00 UTC(日本時間 金曜1:00)で、FOMCが18:00 UTC(日本時間 金曜3:00)にあります。チャートも目線も同じ。どうしますか?
様子見するか、見送ります。GEXの読みは技術的には正しいかもしれませんが、2時間後のFOMCが構造の考え方を無効にします。FOMCへの反応を待ち、発表後にもう一度スキャンしてから動きましょう。FRBのサプライズでもP1が持ちこたえると期待してロングに入ってはいけません。
スキャンで「最初に」確認する数字はどれですか? その理由は?
ガンマフリップです。どの考え方を使うかを教えてくれます。抑えられやすい相場(壁に向かう平均回帰)か、大きくなりやすい相場(勢いに順張り、Nの壁に注意)か。ほかの解釈はすべて、価格がフリップのどちら側にあるかで決まります。相場環境を間違えれば、レベルがどれだけきれいに見えても、トレードの種類を間違えることになります。